物品管理システムおすすめ14選【比較・口コミ付き】

物品管理システムとは？

企業が保有する、重要文書、IT機器、鍵、什器、工具、社内備品といったさまざまな物品を管理するには多くの手間や時間がかかります。物品管理システムは、こうした企業の物品を効率的に管理するために必要不可欠なシステムです。ここでは、その基本的な情報についてご紹介します。

物品管理の目的

物品管理の目的は多岐にわたります。そのひとつは、物品の所在を明確にすることです。社内のどこに、どのような物品があるのかを把握できれば、必要なときに迅速に取り出すことが可能となり、物品の私的利用を防いだり、物品の紛失や盗難を未然に防いだりすることにもつながります。

物品の適正な維持管理も目的のひとつです。物品の状態を定期的にチェックし、故障や劣化の早期発見に努めることで、修繕費用の削減や長期利用を可能にします。とくにIT機器などは、適切な管理で寿命が延びたり、状況を把握しておくことで事前に対策ができ、業務中断のリスクを減らせたりできるでしょう。

また、棚卸業務の負担軽減と精度向上にも物品管理が不可欠です。正確な物品の数を把握しておかないと、過剰在庫や不足を招いてしまい、業務に支障をきたす可能性もあります。

さらに、コスト削減も大きな目的です。不要な物品購入を避け、利用頻度の低い物品を有効活用することで、購入費用や保管費用を削減します。このように物品管理は企業活動において欠かせない業務であり、より正確かつ効率的に行うためにも、物品管理システムを導入するのがおすすめです。

物品管理システムの機能

物品管理システムには、物品の効率的な管理をサポートするためのさまざまな機能が搭載されています。ここでは、おもな機能について見ていきましょう。

台帳管理

台帳管理機能は、資産や物品に関する基本情報を一元的に記録し、管理するための中心的な機能です。物品の種類、型番、購入日、取得価額、使用開始日、保管場所といった詳細情報を登録でき、検索や閲覧が簡単に行えるようになります。

また、各物品に固有のIDを付与することで、個々の物品を正確に識別し、追跡することが可能です。物品が移動したり、使用者が変更になったりした場合にも、台帳情報を更新することでつねに最新の情報を維持できます。これにより、物品の履歴や現状を正確に把握するために必要な情報を集約できるのです。

棚卸管理

棚卸管理機能は、実際の物品の存在と台帳上の記録を照合し、物品の過不足や状態を確認するための機能です。具体的には、ハンディターミナルやスマートフォンなどを活用して、物品に付与されたタグを読み取ることで、瞬時に物品情報を取得し、台帳情報と照合します。これにより、膨大な数の物品であっても短時間で棚卸作業を完了させることが可能です。

また、棚卸結果はシステムに自動的に反映されるため、手入力によるミスを防ぎ、正確な棚卸情報を維持できます。棚卸時に発見された不明物品や破損物品などもシステム上で記録・管理できるため、その後の対応もスムーズに行うことができるでしょう。

入出庫管理

入出庫管理機能は、物品の受け入れや出荷の履歴を正確に記録・管理するための機能です。この機能では、物品がいつ、どこから、どれくらいの量が、どの目的で入庫され、あるいは出庫されたのかを詳細に把握できます。

また、社員が必要な備品を借り出す際には、出庫情報を登録することで、だれが、いつ、何を借りたのかを記録し、その後の返却状況を追跡できます。この機能は、物品の動きをリアルタイムで把握することを可能にし、過剰な在庫の発生や、必要な物品の欠品を防ぐことに役立ちます。

貸出管理

貸出管理機能は、社内外への物品の貸出と返却に関する情報を効率的に管理するための機能です。この機能では、貸出日、返却予定日、貸出先などを記録し、物品の貸出状況をリアルタイムで把握することで、返却漏れや紛失のリスクを低減することにつながります。

また、貸出期間が過ぎても返却されない物品については、システムが自動的にアラートを発する設定も可能な場合があります。これにより、返却を促す連絡を適切なタイミングで行うことができ、物品の行方不明を防ぐことにつながります。

物品管理システムのタイプ

物品管理システムは、物品を識別する方法によって、おもに二つのタイプに分類されます。ここでは、それぞれのタイプの特徴や違いについて詳しく見ていきましょう。

RFID対応タイプ

RFID（Radio Frequency Identification）対応タイプは、電波を用いてタグ情報を非接触で読み取るシステムです。RFIDタグが貼付された物品に専用のリーダーをかざすだけで、複数のタグを一括で読み取ることが可能です。

これにより、一つ一つの物品を個別に読み取る手間が省け、とくに棚卸作業において大幅な時間短縮と効率化が図れます。たとえば、ダンボールの中に入った物品や、目視できない位置にある物品でも、リーダーの電波が届く範囲内であれば読み取りが可能です。

バーコード/QRコード対応タイプ

バーコード/QRコード対応タイプは、物品に貼付されたバーコードやQRコードを読み取り機でスキャンすることで物品情報を管理するシステムです。このタイプは、スマートフォンやタブレット、専用のハンディリーダーなどを用いて、コードを一つ一つ読み取ります。

棚卸作業においては、一つ一つスキャンする必要があるため、物品の数が多い場合には手間や時間がかかることもあるでしょう。もちろん、手入力に比べて格段に効率を向上させ、正確なデータ収集ができるようになります。

物品管理システムのメリット・デメリット

物品管理に欠かせない物品管理システムですが、導入することでさまざまなメリットを感じることができます。ここではそのメリットに加え、導入前に知っておきたいデメリットもご紹介するので、ぜひチェックしてみてください。

物品管理システムのメリット

まずは、物品管理システムを導入するメリットをいくつかご紹介します。

情報の一元化・可視化

物品管理システムは、物品に関するあらゆる情報を一元的に集約し、誰もがアクセスできる状態にします。たとえば、どの物品がどこにあり、だれがいつから利用しているかといった情報がシステム上で明確になります。これにより、必要な物品を迅速に見つけ出すことが可能になり、探す手間が省けます。

情報が可視化されることで、物品の利用状況や在庫状況を正確に把握でき、より適切な運用計画を立てるための基礎データとしても活用できるでしょう。物品の無駄をなくすことは、効率的な資産活用へとつながります。

業務効率化

物品管理システムは、手作業で行われていた多くの業務を自動化・効率化します。たとえば棚卸作業では、システムが自動的に物品情報を読み取り、在庫数を更新するため、大幅な時間短縮が実現します。また、貸出や返却の記録もシステム上で簡単に行えるため、帳簿記入の手間が省けます。

これにより、従業員は本来の業務に集中できるようになり、生産性の向上に貢献します。物品の検索や移動記録の確認も迅速に行えるため、日常業務における物品管理にかかる工数を削減でき、業務効率化を実現できます。

コスト削減

物品管理システムは、さまざまな側面からコスト削減に貢献します。まず、物品の所在や利用状況が明確になることで、不要な物品の購入を防げます。また、物品の紛失や盗難のリスクが低減されるため、買い替えにかかる費用を抑えられます。

さらに、棚卸作業の効率化によって、人件費や残業代といったコストも削減できるでしょう。適切な管理により物品の寿命が延びることで、修理や交換の頻度が減り、長期的な維持管理コストの削減にもつながります。

セキュリティ対策

物品管理システムは、企業のセキュリティ向上に貢献します。IT機器や重要文書、鍵などの管理において、だれが、いつ、どの物品を持ち出したか、あるいは返却したかといった履歴を詳細に記録できれば、不正な持ち出しや利用を抑止し、万が一問題が発生した場合でも、迅速に追跡調査が行えます。

また、物品の所在が常に明確になるため、紛失や盗難のリスクも低減されるでしょう。システムによっては、特定の権限を持つ者のみが物品の持ち出しや閲覧を許可されるような設定も可能であり、情報漏えいや不正利用のリスクを最小限に抑えられます。

ヒューマンエラーの防止

手作業やアナログな方法での物品管理では、入力ミスや記録漏れといったヒューマンエラーが発生しやすい傾向があります。物品管理システムを導入することで、情報の登録や更新が自動化・半自動化されるため、これらのエラーを大幅に削減できます。

たとえば、バーコードやRFIDタグの読み取りによって物品情報がシステムに直接連携されるため、手入力による間違いがなくなります。また、システムが貸出期限の超過などを自動で通知する機能を持っていれば、返却漏れを防ぐことにもつながります。

物品管理システムのデメリット

物品管理システムを導入した場合に考えられるデメリットについても見ていきましょう。

導入や運用にコストがかかる

物品管理システムの導入には、初期費用がかかります。これにはシステム利用料だけでなく、物品に貼り付けるタグやバーコードリーダーなどの機材費用、既存の物品情報のデータ移行費用などが含まれる場合があります。

また、導入後も月額利用料やメンテナンス費用といった運用コストが発生することが一般的です。これらの費用はシステムの機能や規模によってさまざまですが、導入前に費用対効果を慎重に検討し、予算を考慮しながら自社のニーズに合ったシステムを選ぶことが大切です。

操作方法を習得する必要がある

新たなシステムを導入すると、従業員は新しい操作方法を習得する必要があります。これには一定の時間と労力がかかり、とくにITツールに不慣れな従業員にとっては負担となる可能性もあります。また、操作方法の習得がスムーズに進まなければ、システムの導入効果が十分に発揮されないことも考えられます。

このため、システムを選ぶ際には、直感的に操作できるインターフェースであるか、そしてマニュアルやサポート体制が充実しているかを確認することが重要です。適切なサポートがあれば、従業員の習熟を助け、スムーズなシステム移行を実現できるでしょう。

物品管理システムを選ぶ際に重視するポイントは？WEBアンケートで調査しました

ここまで、物品管理システムの目的や機能、導入のメリット・デメリットなどについて解説してきました。物品管理システムはただ単に物品を管理するだけでなく、さまざまなコストの削減や業務の効率化、セキュリティ対策の強化につながります。

しかし物品管理システムの数も多く、どのようにシステムを選べばよいか分からないと感じている方もいるでしょう。そこで当サイトでは「物品管理システムを選ぶ際に重視するポイント」についてWEBアンケート調査を実施したので、ぜひ参考にしてみてください。結果は以下の通りです。

第1位は「操作性・使いやすさ」でした。新しいシステムを導入するにあたって、現場の従業員がそのシステムを使いこなせなければ、導入の効果を十分に得ることはできません。無料トライアルなどを利用して、導入前に操作性や使いやすさをしっかり確かめるようにしましょう。

第2位は「料金プラン」でした。物品管理システムを導入する場合、初期費用や運用コストがかかります。システムによって料金や料金プランは異なるため、予算内で、かつ自社のニーズに合った料金プランが用意されているシステムを見つけましょう。

第3位は「機能」でした。システムによって、搭載されている機能や追加できるオプション機能は異なります。最低限の機能だけでいいのか、多機能なシステムを求めるのかはさまざまですが、まずは自社に必要な機能は何かを明確にしておきましょう。

第4位は「サポート体制」でした。システムやICタグに詳しくない場合や、初めて物品管理システムを導入する場合などはとくに、導入前から導入後・運用中のサポート体制が手厚いシステムを選んでおくと安心です。サポートが無料か有料かもシステムによって異なるので、料金プランにどこまでのサポートが含まれているかもあらかじめ確認しておきましょう。

アンケートの結果は以上です。ここからは、物品管理システムを選ぶ際にチェックしたいポイントについてより詳しく解説していきます。

物品管理システムの選び方

物品管理システムを導入する際、どのシステムを選ぶべきか迷うことも少なくありません。自社の課題を解決し、長期的に活用できるシステムを選ぶためには、いくつかのポイントを押さえておく必要があります。ここでは、最適な物品管理システムを見つけるための選び方を見ていきましょう。

自社に必要な機能が搭載されているか

物品管理システムにはさまざまな機能がありますが、自社に必要な機能が搭載されているかを確認することはとくに重要なポイントのひとつです。たとえば、物品の持ち出しや貸出状況を管理したい場合、それらに特化した機能が充実しているシステムが適しています。

棚卸の負担を軽減したいのであれば、RFIDやバーコードによる一括読み取り機能が強化されているかを確認しましょう。企業の規模や業種、管理したい物品の種類によって必要な機能は異なるため、自社の業務内容や状況を明確にした上で、必要な機能の優先順位を決定することが大切です。

操作性・使いやすさはどうか

システムを導入しても、従業員が使いこなせなければその効果を十分に発揮できません。システムが直感的に操作できるか、画面表示はわかりやすいかなど、実際の使いやすさを重視して選ぶことが大切です。とくに、日常的に物品の入出庫や貸出を行う担当者にとって、簡単でストレスなく使えるシステムであることは、業務効率向上に直結します。

デモ版の利用や無料トライアルなどを活用し、実際にシステムを触ってみて、自社の従業員がスムーズに操作できるかを確認すると良いでしょう。機能を最小限にしており、シンプルでわかりやすいインターフェースのシステムは、導入後の定着も早まる傾向があります。

マニュアルやサポート体制が充実しているか

新しいシステムの導入には、疑問や不明点が生じることがつきものです。導入後も安心してシステムを利用し続けるためには、充実したマニュアルや手厚いサポート体制が提供されているかを確認することが不可欠です。

できれば、担当者がついてサポートしてくれたり、問題が起きたときに早期解決のための提案を行ってくれたりするシステムであれば安心感があります。また、対応のスピード感も重視しましょう。サポート内容が充実していても対応が遅いと、業務に大きな影響を及ぼしてしまう可能性があります。

自社のニーズに合った料金プランがあるか

物品管理システムには、初期費用や月額料金などさまざまな料金プランが存在します。そのため、自社の予算と照らし合わせながら、最適な料金プランを選択することが重要です。なかには、買い切り型のライセンス費用が必要なシステムもあれば、月額制のサブスクリプションモデルを両方提供するシステムもあります。

月額制の場合は、利用ユーザー数や管理する物品数に応じて料金が変動するケースが多いです。自社の物品管理の規模や今後の拡張性も考慮に入れ、長期的に見て費用対効果が高いプランを選ぶようにしましょう。

システムの導入で的確な物品管理を実現しよう

企業活動において欠かせない物品管理ですが、多くの手間や時間がかかるため、より効率的かつ適切な管理を行うためにも物品管理システムの導入がおすすめです。多くの物品管理システムがありますが、自社の目的に合わせて選び、スムーズな導入や定着が実現できるよう、サポート体制が整っているシステムを選びましょう。